夢の中の出来事

c0033590_19275178.jpg気がつくと道の真ん中に立っていた。ひどい道だ。雨のおかげで牛の糞と泥の区別もつかなくなってしまった。

周りを行き交う人々は僕になんか目もくれない。まるで「僕」という人間だけが別の次元に存在しているかのように、ただ無表情に目の前を通り過ぎる。

「本当に僕はここに存在しているのだろうか?」

白い霧に覆われた退廃的な雰囲気、
おそらくここは二年前に訪れたヒンドゥーの聖地バラナシ。

そこに時間軸は存在しない。
僕は「今」その空間にいることに対し、全く違和感を感じていない。
ここはそういう場所なのだ。

僕はただ歩く。再びこの街に来たのだ、という懐かしさはなかった。ここにいる自分は、つまりずっとここにいたのだ。あの頃からずっと。
何の感情もわき起こらぬまま、僕は自分の「意志」とは別の「何か」にゆり動かされ、その街を歩き続けた。
街はあの頃と違っていた。いや、正確に言えばある部分は一緒で、ある部分だけが違っていた。この世界は僕の記憶の断片から築きあげられた世界。

僕は立ち止まる。見たことのない風景。ここはどこだろう。

「君は道に迷った」

聞こえてくるのではない。多分これは自分の意識だろう。きっとそれが物語を創っている。

「僕は今どこにいるのだろう?」

そう思っている自分を知覚する。

右も左もわからぬまま、僕はただやみくもに歩いた。そこで僕は一人の少年と出会った。

続く。
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by oto-no-ha | 2005-05-12 02:26 | dialy
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